個別指導塾の学習空間 山梨エリア 甲府西教室の河手です!
今回は中学2年生でこれから本格的に学習する証明問題について書きます。
証明問題と聞いて、計算や関数は得意だけれど…と苦手意識を覚える人はそれなりの数いると思います。
また証明は受験でも配点が高く確実に出題される分野です。
今回はその証明についてコツを書きます。
まず、結論から。
証明問題を解くカギはズバリ問題文の読み方にあります。
①最終目的 ②シナリオ ③理屈
たとえ話を使って説明します。今、A君(今回の主役)がいたとします。
その他の登場人物はB君、C君、D君がいます。
BとCとAは友達です。そしてB、C、Dの三人は友達です。
つまり4人の関係においてA君とD君はつながりのない他人という設定です。
ちなみにこのように最初から与えられている条件を仮定と呼びます。
この状況でA君がD君よりも足が速いことを証明したい場合どうしますか?
勿論、一番の証明は直接対決をして勝つことです。しかし、A君とD君はつながりがないので、いきなり競争しようはおかしいです。(おかしいと考えるのが数学の世界です。)
ここで仮定をもう二つ加えます。
A君は友達のB君、C君とは競争したことがあったとします。
それでB君はA君よりも足が速い。そしてC君はA君よりも足が遅いとします。
さてこの状況で、A君は自分がD君より足が速いことを証明する為にどうするべきでしょうか。
一歩踏み込んで、B君とC君のどちらにどう頼むでしょうか。
頼み方は、「お前の友達のD君と競争してみてくれないか。」ですね。
さて、どちらに頼むにしても頼み方は同じですが、改めてどちらでしょうか。
仮にB君にお願いして競争してもらった場合、考えられる結果は以下の3つです。
B君がD君に勝つ。 B君とD君が引き分ける。 B君がD君に負ける。
当然C君に頼んだ場合も同様です。
ひとつずつ検証していきましょう。
B君がD君に勝ったとしてA君の目標は達成させるでしょうか?B君はA君よりも足の速い人です。自分より足の速い人が勝っても自分がその相手よりも速いとは限りません。さらに言えば引き分けとB君の負けは、A君がD君よりも足が遅いことを証明することになります。
ですから自分よりも足の遅いC君に頼みます。自分よりも足の遅い人がD君に勝った、引き分けた。これはA君がD君よりも速いことを間接的に証明しています。仮にC君がD君に負けたとしても、少なくともA君の方がD君よりも遅いと決まったわけではありません。可能性は残ります。
証明を考える際、まず最終的に何を証明することを要求されているのか。これを読み取る。
次にその証明を達成するためにどんなシナリオ(ストーリー)であれが良いか。ちなみに最終目的が含まれている図形の合同を証明する場合が比較的多いです。
そして、証明していく時に理屈(根拠)を明記していく。
結局、求められているのは数学の力というよりも、文をしっかり読んで、文をルールに従って書くという国語力なのです。
証明問題をやる際はここで紹介した3点を意識して国語だと思って問題演習に臨んで下さい。 ではまた☆