個別指導の学習空間 群馬エリア 高崎西教室・伊勢崎南教室の渡辺です。
今回は高校化学のmol計算についてお話します。
今年度から化学をやり始めた方は、初回のテストでは点数が取れることが多いため、そんなに高校化学に苦手意識を持っていないかもしれませんが、多くの方がこの『mol計算』に入った途端化学が嫌いになる話をよく聞きます。
まずmolが苦手な人に共通しているのは『単位』が分かっていないことが多いです。
実際に例題を使って説明していきます。
①64gのO2は何molであるか求めよ。(原子量 O=16)
多くの方が16×2=32と分子量を求めることを知っているのですが、これに単位を付けるとどういった意味になるか分かっていません。
分子量というのは1molあたりの質量(g)を表しています。
つまりO2は1molで32gということになります。
そのため64gでは64÷32=2molとなります。
②0.5molの酸素は何個であるか求めよ。(アボガドロ定数は6.0×10の23乗個とする。)
ここで出てくるアボガドロ定数というのも1molあたり6.0×10の23乗個あるという意味です。
そのため、0.5×6.0×10の23乗=3.0×10の23乗個という答えになります。
③標準状態で3molのO2は何Lか求めよ。
標準状態の22.4Lという体積も1molあたりになります。
そのため3molの量を求めたければ
3×22.4=67.2L
となります。
ここまでの内容で大事なポイントをまとめると、分子量やアボガドロ定数、標準状態の22.4Lというのは全て1molあたりの値だということです。
これが分かるようになると、もう1ランク上の問題に挑戦できます。
④1gのH2は何個か求めよ。(原子量H=1)
⑤標準状態で2.24LのO2は何gか求めよ。(原子量 O=16)
先ほどまではmolを求めたり、molの情報がある問題でしたが、
gの情報から個数を求めたり、Lの情報からgの値を求めたりするときは、
まず『molを経由する』ことが必要です。
④はH2の分子量は1molあたり1×2=2gになります。問題は1gのため、
1÷2=0.5molになります。
1molあたり6.0×10の23乗個なので、
0.5×6.0×10の23乗
=3.0×10の23乗個
が答えになります。
⑤は22.4Lが1molあたりの量なので、
問題文での2.24Lでは、
2.24÷22.4=0.1molとなります。
つまり『0.1molでのO2が何gか』聞かれているのと同じです。
O2の分子量は1molあたり16×2=32gなので、
0.1×32=3.2gというのが答えになります。
化学の問題集の解説では計算式が1つにまとまっていることが多いため、細かく分けて説明しました。
少しでもmolの計算が苦手な人の力になれればと思います!