みなさんこんにちは。個別指導塾の学習空間、東村山北教室、東大和教室の堀田です。
今日は中学生、高校生にとって「ノート」とはどういう位置づけなのか。何故同じようなノートなのに結果に差が出るのか。ここの基本的な原因としたいと思います。
1 そもそも「ノート」はどういうもの?
「ノート」は何かを書きつける為の物であるのは変わりません。
ただし、その「書付」が「その瞬間だけ必要なもの」か「長期的に残すべきもの」なのか、「特定の分野だけを書くべき」か「複数の分野にわたってよい」なのかといった使い方の話になります。
順番に考えましょう。「その瞬間だけ必要なもの」の代表格は数学の途中計算です。「途中式」ではなく「途中計算」ですよ。例えばちょっとした筆算や、検算のようなものです。
これは中学生以上であれば、ノートでなくともA4のコピー用紙で十分でしょう。もともと、サッと書いて済ますものですし、これを素晴らしい字で書いて残しておく事は重要ではありません。
一方「長期的に残すべきもの」は、所謂まとめノートの類です。学校のノートは勿論、テスト対策、受験勉強でまとめたものは、それが終わるまで残しておいた方がよいと思います。当然こちらは「書いたけれど自分の字が読めない」では話になりませんので、丁寧に書く必要があります。しかし、ここが最初の落とし穴になるのですが・・・
次に「特定の分野だけを書くべき」かについて、特に長期的に残すものはそのようにすべきと思います。教科書は当然のことながら科目別になっているのですし、問題集もその為のノートを用意したほうがよいです。
他方「複数の分野にわたってもよい」ものは、例えば模試の解き直しや、過去問を年度ごとにまとめて解く様な時です。この場合は「第何回」や「平成何年度」といったくくりでやってしまって構わないので、その回で一冊使ってしまっても構いません。ページが残ったからと言ってケチって無理矢理使い続けるのはよくありません。贅沢に使いましょう。
特に数学にありがちなのですが、例題や解説をまとめるのでもなく、提出の必要もない「問題演習」「解き直し」のノートをガツガツと使えないという子はたくさんいます。私の経験則ですが「こういうときはこう使うべき」という判断を自分でつけられないか、「勉強」を勘違いしているタイプのいずれかであることがほとんどです。
2 なぜ同じようなノートなのに結果に差が出るのか
この点は「同じメーカーのノートを使っている」という意味ではありません。
同じような「しっかりとまとめられた」ノートを作っているのになぜ結果に差が出るのかという所です。ここが前半で述べた落とし穴であり、勉強の勘違いです。
この場合往々にして「ノートが美術品」になってしまっています。もっといえば「美しいノートを作ること」が目的になっていて、「作るという作業の過程で覚える」のではなく「後で覚える為にきれいに作らなくては」と、「覚える」事が「きれいなノートを作る」理由にされてしまっているのです。
「書きながら覚える」とはよく聞きますが、「書く」と「覚える」が分離してしまっては効率が悪くなるのも当然といえましょう。
勿論、「作っている最中に覚えるなんてムリだ」という方もいるでしょう。ではどうするか。結論は「スケジュールを前倒しにする」しかありません。私が実際に目にしたのですが、定期試験の2週間前、テスト対策期間に入ったところで、まとめノートを作り始めた生徒がいました。そして、今しがた作ったばかりのノートからいくつか質問をしたのです。すると、即答ないし「右下の所に書いたはずだけど何だったか…」、「○○の次だったはず」という所までは頭に入っているのです。一方で「これから覚えるから後で」となる子もいますが、結局定期試験の2~3日前にノートが仕上がって、記憶は間に合わずというケースがいくつもありました。この場合ノートまとめは毎日やり、テスト2週間前には「授業でやった所のまとめは終わっている」様にしておく必要があります。
「同じ様なノート」はできても「同じようにノート」を使うことはほぼありません。しかし点数を取らなくてはいけないのです。大きい話になってしまいますが、これほどデジタル化が進んでいても、紙に書くというのは相応のメリットがあるのです。
自分の得手不得手と「ノート」のメリットを上手くすり合わせて、少しずつでも「自分の物」にできたら新しい力になると思います。